目も疲れて、頭が重たい感じがつづいて、肩や首のコリもひどいからマッサージに行くのですが、2日も経てば元どおり・・・。 これって、なんで? どうして体がスッキリしないのー!? 「それは肉体の疲れじゃなくて、神経の疲れが取れてないからですよ!」 え・・・! あなたはどなた?? 「私はボディーワーカーの藤本靖です。身体技法の専門家で、自己調整力を引きだして身体のバランスを整える仕事をしています。睡眠で肉体の疲れは癒せても、スマホやパソコンを見すぎたときに溜まる神経の疲れを取ることは難しい。そこで私は、1日1分から始められる耳ひっぱりワークを著書などでオススメしています。」 1日たった1分間でもいい? 耳をひっぱるだけ・・・!? それで本当に、このしぶといスマホ疲れが取れるのでしょうか。 スマホを見るのが必須のモバレコ編集部、みんな目を酷使している毎日です・・・。 今回、藁にもすがる思いで藤本先生に「耳ひっぱり」を教えていただくことにしました! <プロフィール>藤本靖(ふじもと・やすし) ボディワーカー(米国ロルフ研究所認定ロルファー)/身体論者 身体に関する理論と実践の成果を現場で活かすために、ボディワークの国際的な認定資格である「ロルフィング(R)」の技術を習得。プロスポーツ選手、ダンサーや音楽家など身体を専門とするクライアントを中心に個人セッションを行う。2002年よりロルフィングスタジオ「オールブルー」を主宰。さらに、「身体のホームポジション」という独自の身体論を展開、各地で講演、ワークショップなどを行っている。 著書に、身体論に基づいて日常生活の疲れをとる方法をわかりやすく提示したベストセラー「『疲れない身体』をいっきに手に入れる本」(さくら舎)、「1日1分であらゆる疲れがとれる『耳ひっぱり』」(飛鳥新社)などがある。 <WEB>藤本靖オフィシャルウェブサイト それは体の芯の部分に緊張が残ってしまっているから。マッサージでほぐせるのは表面にあるコリや緊張なのです。 芯の部分が緊張している人の特徴としては・・・
眉間にシワがよりやすい 歯ぎしりをする 座っていると腰やお尻が痛くなる 寝ても疲れが抜けない 前屈しても指が床につかない 目が疲れている
などが挙げられます。 スマホやパソコンを長時間見ていたりすると、体の芯に緊張がたまっていきます。 ――どうしてスマホやパソコン見ているだけで疲れや緊張がたまるんですか? それでは「目が疲れるメカニズム」についてお話ししていきましょう。 眼球は目の奥にあるたくさんの筋肉によって支えられ、その筋肉たちのおかげで目を動かすことができます。 スマホやパソコンなど近い場所を長時間見すぎてあまり目を動かさないでいると、その筋肉が硬くなってしまうのです。そして眼球の奥にある筋肉は首の深部筋につながっていて首も疲れてきます。首が疲れてくると重たい頭を支える力も衰えて、姿勢も悪くなってくる・・・。 こうして疲れの悪循環が起きます。 体全体には、薄い筋膜と呼ばれるものが張り巡らされています。 筋膜は骨、内臓器官、血管、神経など体のあらゆる構成要素を包み、それぞれの場所に適正に位置するよう支える役目があります。人間は一つの場所が緊張してこわばると、それが全身へと広がってしまうつくりになっているのです。 上の図を見ていただくと分かるように、視神経は脳幹にダイレクトにつながっています。 脳幹は自律神経の中枢を担っているので、目の疲れがダイレクトに自律神経に影響を及ぼしてしまうという意味でもあります。 頭の中心に、「脳のお皿」とも呼ばれる蝶形骨という骨があります。 体全体を調整する役割を持っているこの蝶形骨。文字通り、蝶々のような形をしているこの骨は耳とつながってるだけでなく、横隔膜ともつながっています。 耳周りの筋膜と側頭骨が緊張すると、蝶形骨にも緊張が広がります。するとその緊張が横隔膜、やがて内臓、そして全身に伝わってしまうのです。 内臓を包むように広がっている横隔膜が緊張すると、内臓全体も緊張しています。 横隔膜は、いわば「体全体の芯」です。 上半身と下半身の分かれ目にある横隔膜が固くなってしまうと、体の動きが分断されて呼吸が浅くなるという症状も出てきます。 この悪循環を断ち切る方法こそが、「耳ひっぱり」なのです! わかりました。耳ひっぱりには、ちょっとコツがあります。 耳をひっぱる理由は、耳の回りの筋膜や側頭骨をゆるめて、蝶形骨をゆるめるためです。力は、強すぎてはいけません。 ひっぱるときのイメージは、サランラップが破れないようにスッと軽く引くような感覚です。 ――ひっぱるというよりか、添えるくらいの力加減でいいんですね この「ふんわりひっぱる」感覚が、最初は慣れないかもしれません。筋膜がすっと伸びてきて気持ちいいなと思えたらいい力加減です。時間は1分でもいいですし、気持ちいいなと思っていたら3分でも5分でもやってみてください。 1分間の耳ひっぱりを1日3回実践すると効果を感じやすいかもしれません。 でも回数にも決まりはありませんので、「ちょっと疲れたな」と思ったときにすっと耳をひっぱってください。 どうですか? スッキリしませんか? ――はい、視界がさきほどより明るく感じます! でもオフィスや電車でこれを1分間やるのは恥ずかしいですね・・・ そんなときは、「水平線のワーク」がオススメ。 リラックスして座って、自分の目の高さの遠くに、水平線を想像してゆったり見つめるというだけの方法です。目を開けたままでも、閉じていてもどちらでも大丈夫です。これをするだけで「耳ひっぱり」と同様の効果があります。 このときの目は、ニュートラルなポジションになっています。姿勢も、呼吸も楽になってくるのを感じると思いますよ。 山奥や海辺にお住まいの方は、普段からこのニュートラルポジションの目になっています。 だから呼吸も落ち着いていて、一緒にいるだけでほっとする雰囲気。体の芯の緊張がほぐれていくと、心も自然と穏やかになってくるんですね。 またこの「水平線のワーク」を、新宿駅や池袋駅など混雑する場所でも実践して歩いてみてください。視界が広がるので、人にぶつかる頻度も少なくなるでしょう。 マッサージのような強い刺激ではないので最初はその効果が感じにくいものでしたが、変化を感じるようになったのは朝目覚めるときです。 「あ~頭がいたいし、まだ眠たいな~・・・」とひきずるように重い体を起こす感じではなく、目がぱっちり開いて「朝か、さて起きるか!」という感じでスッキリ起きれるようになってきたのです。 あと私は首のコリが激しかったのですが、それも次第に楽になってきました。 効果の感じ方は個人差があるので、絶対に自分と同じようになるとはいえませんが、誰でも簡単に実践できるので、疲れが溜まっている方はぜひ実践してみてください! 最後に藤本先生は、「現代人は首から上に疲れが溜まりがち。この疲れをほったらかしにしている方たちのこれからの健康状態が本当に心配です」とおっしゃいました。 パソコンだけでなく、スマホやタブレットなどさらに画面が小さい端末を見ることが増え、目の視界は狭くなり、いつも体は緊張しています。 あまりにも長期間緊張に慣れてしまうと、その緊張を自覚することがなくなってしまう。これはとても危険なことです。 スマホやパソコンが手放せなくなった現代ですが、意識的に「耳ひっぱり」や「水平線のワーク」を実践したり、遠くを見つめられる自然の中に行くことを日頃から気をつけようとおもいました。 お忙しいなか「耳ひっぱり」を取材させていただいた藤本先生、本当にありがとうございました。 (取材・文/勝俣利彦) こちらの記事も読んでみる: こちらの記事も読んでみる: 1日たった5分、100円メガネかけて視力回復!? “スマホ老眼”治療法!
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