関連:インフルエンサーマーケティングとは? あるいは、「ステマ」の意味は知っていても、具体的な事例までは知らない、という方もいらっしゃると思います。 そんな方に、この記事では5分で簡単に分かるステマの意味と有名事例6選をご紹介します。 過去に起きたステマの事例を知ることで、よりマーケティングについての知識を深めることができます。自社のマーケティングを行う際などに、少しでも参考にして頂ければと思います。 この記事はPDFとしてダウンロードすることも可能です。いざという時のために、お手元に置いておき何度も読み返すことができます。 【PDF】ステマって何?|5分で分かるステマの意味と有名事例6選»無料ダウンロード

「ステマ」って何?

消費者庁で「ステルスマーケティングに関する検討会」が開催されている

日本では、消費者庁が「ステルスマーケティングに関する検討会」を開催し、2022年中を目処に景品表示法による規制の必要性やあり方について、結論を出す方向で動いています。

「ステマ」って何?消費者庁で「ステルスマーケティングに関する検討会」が開催されている企業によるステマが発覚すると「炎上」する2つのよくあるステマ手法有名なステマの事例6選【ウォルマート】PR会社 が実施した偽ブログが炎上【Zipatoni社事件】 PSP宣伝のための架空個人ファンサイトが炎上【デビッド・マニング事件】 映画評をねつ造し、損害賠償の請求へと発展【Dr. Pepper/7up】 有名ブロガーたちへの宣伝依頼が発覚、不買運動へと発展【マイクロソフト】 動画投稿を依頼し、指摘を受けた【サムスン】 アカデミー賞授賞式での使用について、指摘を受けたステマ6選を終えて

ステルスマーケティングは、中立的な立場での批評を装ったり、当の商品と直接の利害関係がないファンの感想を装ったりして行われる。商品の特長の紹介や、評価システム上の評価をつり上げるなどの行為により、多くのユーザーの目に触れさせ、またユーザーの商品に対する印象を上げることが主な目的とされる。

インターネット上では、ショッピングサイトのユーザー評価の投稿欄や、ブログ上の体験記、口コミ情報サイトなどがステルスマーケティングに利用されやすい。有名人などがブログでお気に入りの商品を紹介する記事の中にも、ステルスマーケティングに該当する例があるとされる。

ステルスマーケティングを行うことで、バイラルマーケティングやバズマーケティングを意図的に引き起こすことが期待できる。ステルスマーケティングはそれが宣伝であることを意図的に隠すやり方であり、一般的にはモラルに反するとされる。ステルスマーケティングを行っていることが発覚した場合、非難の対象となる場合が多い。

引用:Weblio辞書|ステルスマーケティング 参考:消費者庁「ステルスマーケティングに関する検討会」

企業によるステマが発覚すると「炎上」する

ステマなどの問題投稿や非難が集まる行動などが原因となり、ネット上に非難や批判が一急速に拡大する現象を「ネット炎上」と呼びます。 ネット炎上は企業の評判に直結するため、未然の防止はもちろんのこと、炎上発生後の企業による対応や対策が重要になります。 参考:SNSで炎上した場合の対策とは?トラブルを回避する防止策までご紹介 また、一部のPR会社ではステマ疑惑が発生した際の対応を含めて支援しているようです。もしお困りの方は相談してみてもよいでしょう。 国内PR会社の一覧 ≫

2つのよくあるステマ手法

よくあるインターネット上のステマ手法としては、以下の2パターンがあります。

  1. 一般消費者になりすまして、口コミや記事を書く 2. 一般人、芸能人のブロガーに宣伝を依頼する

有名なステマの事例6選

【ウォルマート】PR会社 が実施した偽ブログが炎上

発覚経緯 ・小売チェーンのウォルマートは、米国内の自社ブランドイメージを改善させるため、PR会社 のエデルマンに打開策を依頼した ・エデルマンは一般人カップルの旅行ブログを立ち上げて、ウォルマートに肯定的な記事ばかりを投稿 ・それに対して、 Business Week誌とウォルマートに批判的な消費者団体が、このカップルは雇われており、すべての旅行費の出処はエデルマン であると暴露した ・続けて、そのカップルは実在せず、カップルになりすましていたうちの1人は有名新聞社の カメラマンであるという事実も明らかになった ・上記のような事実が発覚したことで、エデルマンとウォルマートへ批判が集まり、ブロガーたちの非難の書き込みも広まったことで、スキャンダルに発展した その後の対応 ・エデルマンは、スキャンダルの発覚後、5日間も沈黙を保っていた。 ・エデルマンはクチコミマーケティング団体の倫理規定の作成にも関わっており、企業がブログ内容に関係する場合は、それを明示する透明性が必要だと主張していた本人だったことや、しばらくの間沈黙していたことで、批判を拡大させてしまった 結果 ・当初ウォルマートが非難されていたこのスキャンダルは、エデルマンの信用問題へと進展 ・この偽ブログの企画・実行と、スキャンダル発覚後の対応の悪さに関して、ブロガーたちからはエデルマンへの批判の声が集まった ・最終的には、5日間の沈黙の後、エデルマンCEOは自身のブログ上で、ウォルマートの偽ブログへの関与を認め、謝罪した 参照:日経ネットマーケティング ONLINE|第6回 ウォールマートのFlog(やらせブログ)事件にみるメディアとしてのブログ

【Zipatoni社事件】 PSP宣伝のための架空個人ファンサイトが炎上

発覚経緯 ・マーケティング会社のZipatoniは、米ソニーコンピューターエンターテイメントの商品であるPSPを宣伝するために、この商品のファンを装い、個人ファンサイトを立ち上げた ・「all I want for xmas is psp(クリスマスにはPSP以外いらない)」という名前のそのサイトでは、 ファンの男になりすまして商品を絶賛し、PSPを持っていない友達といとこのために、親にPSPを買わせる方法を紹介していた ・その男は若者を装ってはいたものの、スラングやネット用語など言葉の使い方が明らかに不自然だった。 それに加え 、親に読んでもらえるように作ったという印刷可のコンテンツは、一般人が作ったと思えないような、サイトに見合わない出来だった ・このサイトを怪しく思ったユーザーが、ドメイン情報検索サービスのwhoisを使って調査したところ、Zipatoni社がサイトの登録者や連絡先として上がってきたことで、ステマが発覚 その後 ・インターネット掲示板のSomethingAwfulにステマが報告されたため、他のメディアでも一斉に報道が起き、架空サイトにコメントが殺到し、炎上した 結果 ・この事態に対して、米ソニーコンピューターエンターテイメントは、上記サイト上に謝罪文を掲載 ・謝罪文の中で、これからは製品作りに専念し、同サイトはPSPについての事実のみを伝えるために使用する、と述べた 参照: Engadojet|ソニーまたヤラセ:PSP絶賛の偽「ファンサイト」で炎上 ニコニコ大百科(仮)|ステルスマーケティング

【デビッド・マニング事件】 映画評をねつ造し、損害賠償の請求へと発展

発覚経緯 ・米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、2001年に自社映画作品の宣伝として、 コネティカット州の週刊誌リッジフィールド・プレス上に、評論家からの映画の推薦コメントを掲載 ・デビッド・マニングというこの映画評論家は、「ロック・ユー!」主演ヒース・レジャーを「今年最もホット」な俳優だとコメントし、「インビジブル」が「最高の恐怖体験」であるなど、同社の映画を褒めちぎるレビューを執筆した ・しかし実際は、このデビッド・マニングという評論家は存在せず、上記のコメントは米ソニー・ピクチャーズのねつ造であったことが、ニューズウィーク誌のジョン・ホーン記者によって告発された その後の対応 ・この事実の発覚に対して、米ソニー・ピクチャーズは経営陣のうち2名を一時停職とし、これ以降の宣伝活動においては監視体制の強化を行うことを述べた 結果 ・しかし、その後、映画評のねつ造によって被害を受けたと主張する映画ファンらから、損害賠償を求める訴訟が起きた ・この裁判は和解に至ったが、ソニーは訴訟を申し立てた観客1人につき5ドルで、合計150万ドル(約1億6000万円)の賠償金を支払うこととなってしまった 参照: 映画.com|ソニー、映画評ねつ造で150万ドルの賠償金 THE MUSEUM OF HOAXES |Dave Manning,2001

【Dr. Pepper/7up】 有名ブロガーたちへの宣伝依頼が発覚、不買運動へと発展

発覚経緯 ・ティーンと20代前半をターゲットとしたミルク飲料「Raging Cow」の発売キャンペーンの一環で、Dr. Pepper/7upはブログを活用することにした ・影響力のある10代のブロガー6人に対し、商品やプロモーショングッズなどを手渡して、各自のブログで商品についての記事を投稿するように依頼。 その際に、ブロガーたちにはRaging Cowとの関係を隠すよう指示をした ・それぞれがブログに投稿した内容が不自然だったため、ブログの商業利用を嫌うユーザーから指摘が入るようになり、Raging Cowのブログ上においてもDr. Pepper/7upのやり方に対して批判のコメントやトラックバックが殺到した その後の対応 ・Raging Cowのマーケティング担当者は、Raging Cowのブログ上の批判をすべて削除。最終的にはコメント・トラックバックができないように変更を行った 結果 ・上記の対応が火種となって、今度はRaging Cowブログ自体がいかにひどいサイトであるかが話題となり、当初は不明だったサイト著作者もDr. Pepper/7upであることが判明した ・オンラインマガジンのSlateが、ブロガーの内1人にインタビューを依頼したところ、Dr. Pep-per/7upのPRから電話があり、3者でインタビューを行うことになった。その際に、ブロガーはPR担当者のような態度だったことが広まって批判された ・また、あるSEOマーケティング関係者が、自身のブログでRaging Cowの不買運動を開始し、その進展の様子をブログ上で追いかけた。最終的に、このブログは「Raging Cow」を検索すると2位になるまでに検索結果ランキングで上昇 ・このような経緯があり、Raging CowブログもRaging Cow単独のサイトも削除されてしまったが、 キャンペーン批判の意見は多くウェブ上に残り、Dr. Pepper/7upは、ブログキャンペーンで失敗したブランドとして広く知られてしまった 参照:nikkei BP net|Webマーケティングの近未来 第26回~欧米での企業ブログのケーススタディ(その6)

【マイクロソフト】 動画投稿を依頼し、指摘を受けた

発覚経緯 ・米マイクロフトの「Xbox One」は、米ソニーの「プレイステーション4」と、ゲーム機市場におけるシェア争いを行っていた ・そこでマイクロフトは、販売促進のために、Xbox Oneを使用している30秒以上の動画を投稿すれば、視聴回数1000回につき3ドル(約300円)を支払うというキャンペーンを実施 ・このキャンペーンが、ある動画サイトのユーザーに対してメールとTwitterで周知されたことで、ステマが発覚した その後 ・米国の連邦取引委員会のガイドラインでは、商品の宣伝を行う場合、広告主との関係性を明示するという規定がある。また、英国広告基準局には、報酬を受け取って商品を宣伝しているブロガーは、 その事実を読者に明らかにしなければならないというルールがある ・Xbox Oneで遊んでいる動画を投稿して報酬を貰うこと自体は、広告手法として問題はないが、今回のキャンペーンは、米マイクロフトではなく第三者が広告として投稿を行っていることを隠していると認識できるようなものだった ・これに対し、ニュースサイトのArs Technicaは、今回作成された動画はキャンペーン終了後も公開され続けるため、動画の投稿者に対して追加報酬なしでプロモーションを行うことになるため公平ではない、という見方を示した 結果 ・上記動画サイトが送信したメール文には、米マイクロフトが動画キャンペーン費用として3750ドル(約39万円)を支払うという記述があったが、マイクロフトがそれ以外の報酬を支払ったかどうかは不明確なままとなっている 参照: Gigazine|マイクロソフトが「Xbox One」のプロモーションでステルスマーケティングを行っていることが判明 the guardian|Microsoft Xbox One prompts outrage after YouTube stealth-marketing stunt

【サムスン】 アカデミー賞授賞式での使用について、指摘を受けた

発覚経緯 ・2014年のアカデミー賞では、電子機器メーカーのサムスンが授賞式の中継スポンサーになっていた ・そのアカデミー賞で司会をしたエレン・デジェネレスは、ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー、メリル・ストリープ、ブラッドリー・クーパーなどの人気ハリウッドスターたちとの自撮り写真を、サムスンのスマートフォンを使って撮影し、Twitterに投稿した ・その自撮り写真は、投稿から1時間で100万リツイート、2日後の時点で320万リツイートを超え、 世界最高のリツイート数を記録 ・その司会者は、授賞式の放送中にもサムスンのスマートフォンを使用し、ツイートされた自撮り写真もサムスンで撮っていたが、自身はiPhoneユーザーであり、授賞式での他の写真はiPhoneで撮影・送信されていたことが発覚し、指摘を受けた その後の対応 ・サムスンはその投稿写真について、撮影に自社のスマホが使用され、リツイートされて多くの人の話題になったことは喜ばしいことである、という見方を述べた 結果 ・この反響に喜んだサムスンは、自撮り写真のリツイート1回を1ドルとして合計300万ドルを、 デジェネレスさん希望の2つのチャリティに寄付した。 参照:THE HUFFINGTON POST |アカデミー賞 320万回RTの「自撮り写真」はサムスンのPRだった。しかし…

ステマ6選を終えて

ステマの意味と有名事例6選はいかがでしたでしょうか? この記事の情報が、少しでもマーケティングや日常生活でお役に立てば幸いです。

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