比較対象ケーブル: 以下iPhoneのLightningケーブルを比較しました。 なお、「MFi(Made For iPhone)認証」とは、Apple社の認定を受けて販売している製品を指します。詳細は後半に説明します。 安価なポケットサイズで、チェッカーにケーブルを挿すと「電流(A)」を測定できます。持っているケーブルの性能が気になる方は、購入して測ってみてはいかがでしょうか。 それでは、各製品の結果を見ていきましょう。
比較する基準値を計測 Apple純正のiPhone Lightningケーブル
最初は、Apple純正のiPhone Lightningケーブルを検証しました。下段の「A」に値が表示されます。 計測中も、0.1A~0.2A程度上下はしますが、約「0.95A」でした。なお、電流値はiPhoneの充電残量などによっても変動します。今回は、純正品で計測した「0.95A」を基準値として、他の製品がどの程度変わるか確認しましょう。
純正品と同等の値を計測 MFi認証ケーブル(Anker社製)
続いて、MFi認証ケーブルです。Anker社の製品を使いました。 MFi認証品は、純正品と同じ値「0.95A」が出ました。さすがApple社の認定を受けている高品質な製品といえそうです。
急な買い替え時にも安心 コンビニのiPhone Lightningケーブル
次はコンビニで購入したケーブルを検証しました。 ケーブルが壊れた際、もっとも手軽に買える場所がコンビニだと思うので、今回の検証リストに加えました。Anker社製品と同じくMFi認証製品です。 純正品とほぼ同等の数値「0.94A」がでました。旅行や出張先などで、急に純正ケーブルが壊れて買い替える際も、おススメです。
値段相応の性能? 100円ショップで購入したiPhoneのLightningケーブル
Lightningケーブルは、今や100円ショップでも手に入ります。純正品に比べると、値段は約20分の1ですが、性能はどうでしょうか。 「0.62A」一気に値が減りました。純正品などに比べて約3割減です。値段相応の結果と考えれば、納得かもしれません。さらに別の問題も発生しました。 急に充電ができなくなりました。 一度抜いて再び挿すと、画面に「このアクセサリは使用できません」と表示され、充電ができなくなりました。何度か抜き差しを繰り返すと、再び充電できるようになりましたが、非常に不安定です。また、同じケーブルを3本用意していましたが、その内1本は、挿しても全く反応がありませんでした。製品によって、品質にバラつきがありそうです。 「0.55A」100円ショップの品より、さらに下がりました。また、最初から使えないケーブルもありました。買い替える時はハズレを見込んで、複数本まとめ買いをした方がいいでしょう。 100円ショップの品同様に、充電も不安定です。 抜き差しを繰り返していると、充電できるようになりますが、iPhoneを少し動かすと、またできなくなります。ケーブルを挿してカバンに放り込んでいたら、充電できていなかったということも、実際に使うとありそうです。
長さゆえの性能低下 ロングケーブル(3m)
「0.37A」検証した製品の中で、最も低い数値となりました。ケーブルは、長くなるほど抵抗が大きくなるので、電流量も下がっていると考えられます。充電速度も純正品と比較して体感ベースで遅いと感じるので、性能は大きく劣るようです。
充電にかかる時間は?
検証の結果、純正品・MFi認証品と非認証品では、電流量に大きな差がありました。 では、充電時間には、どのくらい差が出るのでしょうか。実際に測って検証しました。条件と結果は以下の通りです。 条件:充電量70%の状態から充電を始めて、80%になるまでの所要時間を計測。 多少の誤差はあるかもしれませんが、概ね電流量が多いほど、所要時間が短くなっています。なお、今回購入したロングケーブル(3m)は、スマホを操作していると、充電中でも充電量が下がっていきましたので、寝る時以外は使いづらいと思います。 性能の良し悪しがはっきり分かれました。さすがに純正品・MFi認証品は、性能が高いレベルで安定していておススメです。ただ、非認証品は紹介したとおり激安なので、購入の際は性能と価格のどちらを取るか、基準を持って決められると思います。
ケーブルの耐久性・・・非認証品は数回で使えなくなることも
ケーブルの太さ・・・長いほど太くなる傾向に
ケーブルは長いほど抵抗が大きく、太いほど小さくなるため、長い品は太くして抵抗を減らしているケースが多いです。比べると、ロングケーブル(3m)はかなり太いことがわかります。 ただ、電流量は最低でしたが、これは品質の問題といえそうです。実際、Anker社のMFi認証製品は、2.7mのケーブルでも0.9mの製品と同等の電流量を計測しました。 Anker担当者: Apple社では、Lightningケーブルに関するディベロッパ向けの認証プログラムを用意しており、基準を満たすことで、「MFi認証済み」と認定されます。いわば、Appleが、品質や性能にお墨付きを与えているということです。さらに、認可の証であるICチップやハードウェアコネクタが提供されるので、iOSのバージョンがアップしても問題なく使えますし、Lightning端子に対応する全ての機器で使用可能です。 Anker担当者: 非認証製品は安いですが、さまざまな問題もあります。性能面で劣るのはもちろん、デバイスやiOSのバージョンによっては、使えない可能性があります。また、充電時に電流と電圧を制御できず、iPhone内のチップが破損して故障につながる恐れもあるので、認証製品を提供する立場としては、お薦めできません。 この記事を読んだ方におすすめ記事: 電池の減りが早いなら試してみよう!iPhoneバッテリー節約術27選 スマホのバッテリーを長持ちさせる方法と交換の費用・時期について