実はYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)でもメールアドレスを活用した広告配信ができることをご存知ですか? YDNでアドレサブル広告を実施するためには、Yahoo! DMPの利用が必須になります。Yahoo! DMPの無料枠で実施可能です。広告出稿までの手間は少しかかりますが、自社の顧客データを活用することでROIを改善した実績も多く出ており、ディスプレイ広告の費用対効果を向上できます。 本記事では、メールアドレスを活用したYDNの広告配信や活用方法、効果、費用、ネックとなる事までわかりやすく解説します。 はじめての方でも「メールアドレスを活用したYDNの広告配信」の手法を理解して、すぐに実施することができます。 (無料Ebook)絶対に押さえておくべき!プライベートDMP選定の落とし穴
YDNでのメールアドレスを活用したアドレサブル広告配信について アドレサブル広告配信の効果と活用方法 メールアドレスを活用したYDNは費用対効果が高い広告です。なぜなら、自社顧客データを活用することで、より見込み度が高い既に接点があるターゲットや、自社顧客に類似したユーザーへアプローチを行うことが可能だからです。
YDNでのメールアドレスを活用したアドレサブル広告配信についてアドレサブル広告配信の効果と活用方法メールアドレス活用(アドレサブル広告)の仕組みマッチングにはYahoo! DMPの利用が必要Yahoo! DMPについてメールアドレスを活用したYDNの事例事例1.既存顧客向けの広告配信:休眠顧客の掘り起し&シーズナル商材の売り上げ拡大事例2.類似ユーザーへの広告配信(新規獲得):本商品購入への引き上げ率が200%向上!CPOは半減 メールアドレスを活用したYDNの費用についてメールアドレスを活用したYDNの設定方法準備するものデータ活用(Yahoo! DMP連携)の手順メールアドレスを活用したアドレサブル広告のネックは個人情報の取扱い
自社顧客データを活用することで、以下のようなアプローチが可能になります。
過去購入の休眠顧客や成約前の見込み顧客など、新たなセグメントの発掘。自社顧客の類似ユーザーへの拡張配信や除外配信に活用することで、新規顧客獲得の精度を向上させる。
また、競合企業が保持していない自社の顧客データを広告に活用できることから、「競合企業との差別化」を図るときにも効果を発揮します。 効果的に実施するコツは、「既存顧客向けの広告配信」と「類似ユーザー向けの広告配信」を組み合わせて自社にあった施策を実施することです。すでにYDNを実施されている企業であれば、例えば自社のメルマガ会員データを活用してすぐに既存顧客向けの広告を実施可能です。(参考:リスティング運用自動化ツールの一覧 ≫)
メールアドレス活用(アドレサブル広告)の仕組み メールアドレスなどの顧客データを活用した広告配信の仕組みですが、企業が保有している自社顧客のメールアドレスとヤフーが持つメールアドレスをマッチングさせ、ターゲットリストを作成し、広告を配信します。
上記の通り、ヤフーが持つ保有メールアドレスとマッチしたユーザーが配信対象となります。マッチ率は広告主様の業種によって異なりますが平均33%(※)という実績が出ています。 ※2018年5月シナジーマーケティング調べ
マッチングにはYahoo! DMPの利用が必要 YDNでは、直接メールアドレスをアップロードするのではなく「Yahoo! DMP」にハッシュ化(※)したデータを投入し、自社顧客のメールアドレスとヤフーが持つメールアドレスをマッチングします。 ※ハッシュ化とは:元の数値や文字列からハッシュ関数によって固定長の擬似乱数を生成すること。
Yahoo! DMPについて Yahoo! DMPはヤフー株式会社が提供するDMPで、利用するためには基本プランへの申込が必要となります。実施したいマーケティング施策の内容や利用したいデータに応じて、オプションやサポートプランも用意されています。
メールアドレスを活用したYDNでの広告配信を行うには、無料の基本プランのみで実施可能です。あくまで自社の顧客データ(メールアドレス)をヤフーのデータにかけ合わせてセグメントを作成するだけなので、有料のカスタムオーディエンスオプションなどは不要です。 ※Yahoo! プレミアムDSP、Yahoo! プレミアム広告(一部商品のみ対象)、YDNへの広告配信のためのデータ活用は無料です。 なお、広告代理店でYDN(でのアドレサブル広告)運用を行う場合、まずは広告主からYahoo! DMPへ申込をいただき、運用権限を代理店に付与してもらう流れになります。 Yahoo! DMPの導入方法についてはこちら
メールアドレスを活用したYDNの事例 事例1.既存顧客向けの広告配信:休眠顧客の掘り起し&シーズナル商材の売り上げ拡大 業種 食品(カニの通販)
課題 取り扱う商品の特性から繁忙期は冬のシーズン(特にお正月)であり、この時期に年商の9割以上が集中していました。そのため、この時期にどれだけ集客できるかということが最大の課題です。競争の激化により、年末シーズン商品である「カニ」の広告の費用対効果は悪化しており、 ニーズが顕在化した限定層にしかアプローチできていないことが1番の課題でした。
実施施策 購買が特定時期に年1回のような場合、既存顧客層にも「潜在層」は存在します。それは、過去に購入したことはあるが今シーズンは購入していない「休眠顧客層」であり、ここの掘り起しを目的にYDNでアプローチしました。
結果 顧客の平均獲得率3.4%、その獲得単価1,394円と、目標としていた獲得単価1,500円をクリアすることができ、休眠顧客層の掘り起こしに成功しました。特に、昨年の購入者よりも一昨年の購入者のリピート率がとても高いという結果になりました。
ギフト商品や季節にちなんだ商品を製造・販売している企業にとって、イベントシーズンは1年の中で最も商品が売れる商戦期です。同じ立場の企業も多く、リスティング広告の入札価格は高騰しがち。その状況で成果をだすため、ぜひアドレサブル広告を活用ください。
事例2.類似ユーザーへの広告配信(新規獲得):本商品購入への引き上げ率が200%向上!CPOは半減 業種 化粧品メーカー(美容液の販売)
課題 ある化粧品メーカーは、まず少量のサンプル(1,000円)を購入してもらい、その後本商品(10,000円)購入の引き上げを狙うビジネスモデルを展開していました。 サンプル購入のCPAはあっていましたが、本商品への引き上げ率が低く、CPOが高騰していました。
実施施策 そもそも、サンプル請求で獲得している人が間違っているのでは?という仮説の元、継続して利用してくれる「優良顧客」を獲得する方針を立てました。
本商品を購入した人を優良顧客とし、優良顧客とWeb上の行動が似ている人を拡張。サンプルのみ購入で本商品購入に至らなかった顧客とその拡張リストを除外。
→上記の「優良顧客拡張リスト」にYDNで広告を配信(サンプル購入訴求)。
結果 サンプル購入のCPAは30%悪化したものの、サンプル購入者→本商品購入への引き上げ率が200%以上向上しました。 その結果CPOが劇的に改善され、施策実施前と比べると半分にまで減少しています。
メールアドレスを活用したYDNの費用について Yahoo! DMPやYTMの利用が必要にはなりますが、すべて無料で利用できるため、通常のYDNに対して追加で費用が発生するものはありません。 YDNはオークション型課金となるため、任意の出稿料金からお試しが可能です。YDNでのアドレサブル広告をこれから開始する場合であれば、顧客データの件数にもよりますが全体予算の20%程度に設定し、既存顧客に対しての広告配信・類似ユーザーへの広告配信をテストしてみるのがおすすめです。...