チャーンレート(解約率)を計測することで、解約の原因を探り、改善に向けた具体的な施策を取れるようになります。 またチャーンレートが増加しているか・減少しているかで、そのサービスが成長しているのかの指標とすることができます。 本記事では、チャーンレートとは何か、計算方法、具体的な改善方法を解説していきます。 この記事を読めば、自社サービスのチャーンレートを常に把握し、改善することができるようになるでしょう。 チャーンレートを下げるための”最強”カスタマーサポート実現法
チャーンレート(解約率)とは一定期間内の解約率のこと チャーンレート(解約率)とは一定期間内の解約率のことを指します。 チャーンレートは以下の計算式で求められます。 例えば直近1ヶ月の解約者数が30で、期間前の総顧客数が600なら、30÷600=5%となります。 チャーンレートはサブスクリプションサービスやSaaSビジネスにおいて、収益に直結するため重要視されています。
チャーンレートの種類 チャーンレートには、大きく分けてカスタマーチャーンレートとレベニューチャーンレートの2種類があります。 カスタマーチャーンレートは顧客数をベースに、レベニューチャーンレートは収益をベースに計算されます。 また上の表のように、それぞれ使うべきケースが異なります。
カスタマーチャーンレート カスタマーチャーンレートは顧客数ベースの計算式で、サービスの価格が一律のときに使われます。 計算式は以下の通りです。 例えば3月末時点の顧客数が100人で、そのうち4月に7人が解約した場合は、7÷100=7%となります。 カスタマーチャーンレートは、顧客数のカウント方法によって更に以下2つに分かれます。
カスタマーチャーンレート カスタマーチャーンレートは顧客数の中でも、ライセンス数・ユーザー数をベースにした時に使われます。BtoCのサービスかつ価格が一定のときには、カスタマーチャーンレートを利用しましょう。
アカウントチャーンレート 会社数や契約者数がベースになる場合には、アカウントチャーンレートと呼ばれます。BtoBのサービスかつ価格が一定のときには、アカウントチャーンレートを利用しましょう。
レベニューチャーンレート レベニューチャーンレートは収益ベースの計算式で、複数の価格プランがある場合に使用します。 例えば通常プランが月額10,000円、プレミアムプランが月額30,000円のようなサービスの場合に使われます。 計算式は以下の通りです。 例えば以下の条件でレベニューチャーンレートを計算してみましょう。
通常プランが月額10,000円、プレミアムプランが月額30,000円のサービス3月末の登録者は通常プラン・プレミアムプランともに10人4月にプレミアムプランを2人解約した
サービス単価30,000円 × 解約数2 ÷ 総収益(10,000円×10 + 30,000円×10) = 15% となります。 同条件でカスタマーチャーンレートを計算すると2÷20=10%となり、何をベースとするかでチャーンレートが異なることが分かります。 またレベニューチャーンレートも、計算方法によって更に2種類に分かれます。
グロスレベニューチャーンレート グロスレベニューチャーンレートとは、解約やダウンセルによって失った収益をベースに計算される数字です。 先ほどの例であればプレミアムプランの人がいきなり解約にならず、通常プランで契約するというケースも考えられます。そうしたときグロスレベニューチャーンレートを利用します。 計算式は以下の通りです。 MMRとはMonthly Recurring Revenueの略で、月次収益のことを指します。 例えば先ほどのケースに、アップセルの発生も付け加えて考えてみましょう。
通常プランが月額10,000円、プレミアムプランが月額30,000円のサービス3月末の登録者は通常プラン・プレミアムプランともに10人4月にプレミアムプランを2人解約した4月に1人が通常プランからプレミアムプランにアップグレードした
グロスレベニューチャーンレートは、先ほどと同じく15%になります。 サービス単価30,000円 × 解約数2 ÷ 総収益(10,000円×10 + 30,000円×10) = 15%
ネットレベルチャーンレート ネットレベニューチャーンレートとは、解約やダウンセルによって失った収益に加えて、アップセル・クロスセルを加算して計算した数字です。 グロスレベニューチャーンレートでは損失額に注目していたことに対し、ネットレベニューチャーンレートでは増収額も加算して計算するため、売上全体の状況を把握することができます。 計算式は以下の通りです。 例えば先ほどのケースで考えると以下の通りになります。 (30,000円×2 – 20,000円×1) ÷ (10,000円×10 + 30,000円×10) = 10%...